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社寺 伝承された身近で深遠な文化

摩尼車

●まにぐるま。石柱の円盤を一回転させると般若心経を一巻唱えたと同じ功徳が頂ける。写真：宮津市成相寺/成相寺

随身門・随神門

●神社の山門。左に矢大臣(右大臣)･菅原道真公。右に年長者で髭の左大臣･藤原時平公。写真：篠山市黒岡/春日神社

●右側の左大臣・藤原時平公。醍醐天皇の下で左大臣。菅原道真と対立していた。写真：篠山市黒岡/春日神社

●左側の弓を持った矢大臣・菅原道真公。醍醐天皇の下で右大臣。写真：篠山市黒岡/春日神社

手水舎・手水場

●手水舎(ちょうずや)。水盤舎。参拝前に浄水で禊をする。左手→右手→口→柄杓。写真：篠山市波々伯部/波々伯部神社

●吐水口に龍が多用される。龍神は水を司る神様であることから神聖な水とされる。写真：兵庫県西宮市/神呪寺

●黄龍全身像の吐水口。蛇のような長い胴体がインパクトある。写真：兵庫県神戸市/天上寺

●石造りの手水舎。写真：滋賀県大津市/日吉神社

●2本柱の手水舎。水盤が扇形にくり抜かれている。写真：篠山市味間奥/熊野神社

●手水場。屋根のないもの。写真：篠山市東岡屋/富山神社

●手水鉢。つくばい。周りに役石と草木が配置された庭の添景物。写真：篠山市大熊/薬師堂

百度石

●百度参りの起点になる石柱。ここから拝殿・本堂までお百度を踏んで祈願する。写真：篠山市春日江/熊按神社

●左の百度石、奉の下をくり抜いて「そろばん」と呼ばれる札が組み込まれている。写真：洲本市上内膳/先山千光寺

●「そろばん」拡大。参拝した回数を数えるのに利用するもの。鉄のため腐食して欠落したのか47枚になっている。

負けきらい稲荷力士    ※市外域含む

●篠山藩内の稲荷が力士になって将軍上覧大相撲に登場し連勝したという伝説。写真：篠山市曽地中/左近稲荷神社 ※「力士八人は江戸で大勝し藩主から恩賞、皆稲荷を信仰し神社名を付けていた」(導観稲荷神社にある解説)

場    所		力士名		備    考
	篠山市河原町	大関・王地山平左衛門	平左衛門稲荷神社	王地山稲荷神社前、土俵上に祠
	篠山市波賀野	関脇・波賀野山源之丞	波賀野稲荷神社	力士絵馬
	篠山市西岡屋	小結・飛之山三四郎	三白稲荷神社
	篠山市黒田	前頭・黒田山兵衛	黒田稲荷神社
	篠山市小田中	前頭・小田中清五郎	清五郎稲荷神社	力士絵馬
	船井郡京丹波町須知	前頭・須知山導観	導観稲荷神社	何鹿郡4村が篠山藩領だった
	篠山市曽地中	前頭・曽地山左近	左近稲荷神社	力士絵馬
	篠山市東新町	前頭・頼尊又四郎	頼尊又四郎稲荷神社
	篠山市谷山	不詳	稲荷神社	江戸道中の怪我で引き返した
	篠山市大山宮	行司・金山源吾	稲荷神社	追手神社本殿横
	篠山市八上内	頭取・高城市松	高城市松稲荷神社	春日神社本殿横

回向柱

●本尊御開帳で柱と本尊が綱で結ばれる。柱に触れれば本尊に触れたと同じ御利益。写真：篠山市春日江/極楽山観福寺

鳥居（明神鳥居、両部鳥居、黒木鳥居、白木鳥居、三輪鳥居、三柱鳥居、山王鳥居、住吉鳥居、小鳥居）

●明神鳥居。神域と人間界の境界に立てられる。中央の正中は神様が通り人は端を歩く。写真：篠山市南矢代/大歳神社

●両部鳥居。本柱と稚児柱を貫で連結した構造。神仏習合の神社に多い。写真：篠山市八上上/弓月神社

●石造りの両部鳥居。一般に石造りでも台石を設けるが、これは直に埋め込まれている。写真：大阪府豊能郡/野間神社

●黒木鳥居。樹皮が付いたままの丸太材で造られたもので最も古い形。写真：篠山市後川新田/原八幡神社

●白木鳥居。黒木鳥居と同じ形だが樹皮は剥いてある。御陵鳥居とも呼ばれる。写真：篠山市桑原/毘沙門堂

●三輪鳥居、三ツ鳥居。中央に明神鳥居、両脇に小規模な鳥居を組み合わせたもの。写真：坂出市西庄町/金華山天皇寺

●三柱鳥居。高天原の三柱の神様を現す三本柱を正三角形に配置したもの。写真：桜井市三輪/大神教会

●山王鳥居。明神鳥居の上に三角形の破風が乗った形式で神仏習合を現している。写真：滋賀県大津市/日吉大社

●住吉鳥居。明神鳥居の形式で縦柱が角柱になったもの。住吉大社で見られる。写真：兵庫県赤穂市/赤穂大石神社

●小鳥居。外寸高70×横90cm。潜る部分高20×幅45cm。万歳すると潜れる。写真：鳥取県鳥取市/熊野神社遺跡

灯籠（常夜灯、自然石常夜灯、春日灯籠、外陣灯籠、吊灯籠、雪見灯籠、瓦製灯籠、円形灯籠）

●常夜灯。神社の参道や境内に対で立っているのはほとんどこの灯籠。写真：篠山市野々垣/八幡神社

●自然石常夜灯。街道筋で良く見かける。｢金｣は讃岐の金比羅宮に奉納した灯籠という印。写真：篠山市真南条中/灯籠

●春日灯籠。笠・火袋・中台・地輪が六角形。新しく立てられる灯籠はこの形が主流。写真：篠山市大山宮/追手神社

●外陣灯籠。立柱型灯籠の石造りタイプ。写真：篠山市波賀野/出雲神社

●吊灯籠。これは座が六角猫脚タイプ。吊灯籠は種類が多い。写真：篠山市大渕/稲荷大明神

●雪見灯籠。これは角雪見型。他に3本脚型、古代雪見型、丸雪見型等多種類。写真：篠山市藤坂/稲荷

●瓦製灯籠。写真：篠山市桑原/稲荷神社

●円形灯籠。傘部分が丸い。写真：篠山市川原/住吉神社

狛犬（獅子像狛犬像、儀宝珠、子取り、玉取り、有角、出雲構え、神狐、神牛、神猿）

●魔除け/守護獣。左が狛犬像･吽形･雌･口閉。右が獅子像･阿形･雄･口開。両方で狛犬。写真：篠山市中原山/日吉神社

●阿形の中に｢儀宝珠｣を咥えている像がまれにある。口を慎み温言和容で居なされの教え。写真：篠山市油井/住吉神社

●脚元に子犬がいる｢子取り｣がまれにある。子孫繁栄の象徴。写真：篠山市県守/春日神社

●脚で毬を踏んでいる像は｢玉取り｣。コロコロと事が運び家運隆盛の吉兆。写真：篠山市畑宮/佐々婆神社・丹波太神宮

●まれに角のある左の狛犬・吽形がある。対して右の獅子・阿形は角がない。写真：篠山市西野々/松森天満宮

●出雲構え獅子。後ろ脚を伸ばして尻を上げ今にも飛びかかるような迫力がある。写真：篠山市当野/大歳神社

●神狐。狐は稲荷神社の神使(使い)。珠、巻物、鍵を咥えていることがある。写真：篠山市味間奥/二村神社

●神牛。天満宮の神使は牛。写真：篠山市西吹/お堂 ※八幡神社:鳩、厳島神社:烏、諏訪神社:鶴、春日神社:鹿、住吉神社:兎、出雲神社:蛇、日吉神社:猿、愛宕神社:猪

●神殿に置かれるものは神殿狛犬。写真：篠山市初田/八柱神社

●寄木造りの木製狛犬。写真：篠山市日置/磯宮八幡神社

●胴長で奇面な狛犬。写真：三田市酒井/高売布神社

●豊かな表情の狛犬。写真：丹波市青垣町東芦田/高座神社

●日吉神社の神使は猿。写真：丹波市柏原町大新屋/新井神社

●｢儀宝珠｣、｢子取り｣、｢玉取り｣の三点が揃った狛犬。写真：多可郡多可町加美区山寄上/青玉神社

●反りかえった姿勢の狛犬。写真：多可郡多可町加美区轟/河上神社

山号柱・寺標

●寺の入口に立っている。1本の柱に山号と寺号が刻まれている。写真：篠山市奥畑/神護山太寧寺

●左右2本の山号柱。写真：篠山市大渕/松尾山浄居寺

●寺標。寺号主体に表現されたもの。写真：近江八幡市長命寺町/長命寺

山門・鐘門・楼門・二重門・鐘楼門・総門・惣門・勅使門・冠木門

●山門。このような薬医門スタイルが一般的。写真：篠山市曽地中/太陽山長和寺

●向拝を設けた山門。極めて珍しい。写真：善通寺市善通寺/五岳山善通寺

●鐘門。山門通路の天井から梵鐘を吊ったもの。写真：四国中央市/由霊山三角寺

●楼門。二階造りの門で下層に屋根が無いもの。上下層に屋根があれば二重門。写真：篠山市追入/大宝山大乗寺 ※門の左右に金剛力士像を安置したものは楼門型式の仁王門/仁王堂

●二重門。上下層に屋根がある楼門。写真：揖斐郡揖斐川町谷汲徳積/谷汲山華厳寺

●鐘楼門。二階造りの門で上層に梵鐘を吊ったもの。写真：篠山市沢田/澤田山小林寺

●竜宮造りの鐘楼門。写真：京都市山科区/華頂山元慶寺

●総門(惣門)。敷地入口にある表玄関の門。通常はこの奥に山門がある。写真：丹波市青垣町/瑞巌山高源寺

●勅使門。勅使(天皇の代理者)専用の門。普段は閉じられている。写真：三田市永沢寺/青原山永澤寺

●冠木門。かぶきもん。屋根がなく冠木(笠木かさぎ)を通している。写真：宍粟市波賀町上野/波賀城跡

鐘楼

●朝夕の時を告げたり除夜の鐘を鳴らしたり。柱は円柱。写真：篠山市味間南/松尾山文保寺

●お堂の中に鐘楼が組み込まれた建築様式。柱は六角柱。写真：篠山市藤岡奥/岩屋観音

●二層形式の造りで下層を袴腰付にしたもの。写真：篠山市奥畑/神護山太寧寺

●二層形式で下層を白壁塗りにしたもの。写真：篠山市河原町/普門山観音寺

●内部に釣鐘を支える柱があるもの。写真：大津市坂本本町/無道寺

●柱が12本あるもの。写真：大津市坂本本町/比叡山延暦寺

本堂

●向拝階段、浜縁、外陣、内陣、須弥壇と続き最奥に御本尊が安置される。写真：篠山市油井/極楽山妙楽寺

●本堂内の外陣(げじん)。右側格子戸の奥が内陣(ないじん)。写真：加西市坂本町/法華山一乗寺

多宝塔

●多宝如来を安置する二重の塔。上層は円筒形、下層は庇(裳階もこし)を設けた方形。写真：篠山市宇土/清瀧山弘誓寺

堂宇

●切妻造か方形造、まれに六角堂もある。屋根の頂上に丸い宝珠が載る。写真：篠山市今谷/稲葉観音

社標・社号標

●神社の参道入口に立つ。寺院の山号柱/寺標のようなもの。写真：篠山市波々伯部/波々伯部神社

神殿・本殿・幣殿・拝殿・長床・奉納殿

●小さい神社は神殿だけ。大きい神社は舞殿、拝殿、神殿(本殿)がセットになる。写真：篠山市追入/追入神社

●まれに拝殿と本殿の間に幣帛(へいはく、供え物)を捧げるための幣殿が設けられる。写真：宍粟市一宮町/伊和神社

●社殿の飾り。神社に限らず伝統的な木造建築物の木組み・彫物は奥が深い。写真：篠山市小野奥谷/熊野神社

●屋根飾り。写真：篠山市大山新/二ノ宮神社

●割拝殿。中央が土間になっていて通り抜けられるタイプの拝殿。写真：篠山市野々垣/八幡神社

●長床。拝殿の一種で修験者が宿泊したり氏子衆が集会する細長い建物。写真：篠山市油井/大歳神社

●奉納殿。本殿近くにあり祭事、直会、参籠等多用途に用いられる。写真：綾部市八津合町西屋/八幡宮

舞殿・神楽殿・能楽殿

●神様のために舞楽を奉納するための建物。四方から鑑賞できる。写真：篠山市油井/大歳神社

●囲いがあって神殿の方向を意識した造り。写真：篠山市西八上/稲荷神社

●能楽殿(能舞台)。演者の足拍子がよく反響するような造りになっている。写真：篠山市黒岡/春日神社

絵馬殿・絵馬堂

●奉納された絵馬や武者絵が掲げられている。写真：篠山市黒岡/春日神社

覆屋・覆堂

●神殿(本殿)を風雨や直射日光から保護するために屋根で覆う建物。写真：篠山市遠方/八坂神社

拝石（扇形、自然石、角柱形、扇子形）

●扇形の拝石。神社の拝殿正面に据えられる。天面に「奉納」や「拝石」と刻まれる。写真：篠山市油井/住吉神社

●左右100cm×前後60cm×高さ30cmもある特別に大きな扇形拝石。写真：篠山市下筱見/九頭女神社

●自然石の拝石。拝石の上に供物が置いてあることがある。写真：篠山市安口/三十三観音

●角柱形の拝石。踏石にも見えるが乗るものではない。写真：篠山市追入/追入神社

●扇子形の拝石。細部まで表現され日の丸が刻まれている。写真：篠山市当野/大歳神社

注連縄

●外界と神社の境界に張られ不浄の侵入を禁ずる印。ゴボウ締め､左綯い､左末､右本。写真：篠山市日置/磯宮八幡神社

●篠山市内はほとんどが左綯い・左末・右本。稀に写真のような左本がある。写真：篠山市上板井/天満神社

●日本最大級のゴボウ締め。左綯い・左本・右末。写真：出雲市大社町杵築東/出雲大社

●大根締め。中央部が太く両端が細い。写真：篠山市糯ヶ坪/糯ヶ坪稲荷神社

●太い大根締め。社殿の注連縄は祭神の居場所を示す。写真：篠山市乗竹/八幡神社

●荒縄を張ったもの。〆の子が付いていない。写真：篠山市黒岡/春日神社

●箒状のものが立てかけてある。写真：篠山市東吹/春日神社

●板締め。隙間なく〆の子で飾られたもの。写真：篠山市口阪本/天満神社

●注連縄柱。鳥居が出来る前の形。写真：篠山市古市/蛭子神社

●木に巻かれた注連縄は神聖な御神木であることを示す。写真：篠山市下板井/川内多々奴比神社

●神聖な滝/井戸/岩に張られることがある。写真はゴボウ締め､左綯い､左末､右本。写真：篠山市栗柄/倶利迦羅不動尊

●狛犬に張られた注連縄。この吽像のみ右綯いで他は全て左綯い。写真：篠山市川原/住吉神社

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